Wonderful Life with a Boy

41歳で初産。がっつりめに働きながら男の子を育てる毎日の気づき。

出生前診断を受ける

愛育病院では、出生前診断を受ける前に、

そのしくみとリスク、倫理的意義などを学ぶ

「出生前検査両親学級」を受けなければいけない。

受講料は5,000円。

 

場所は、いつも健診に行く芝浦ではなくて、広尾にある愛育クリニックの方。

有栖川宮記念公園のすぐ隣にあり、閑静な住宅街と森のような木々の緑に囲まれた

なんとも風情のある施設だが、建物はかなり古い。

通常の妊婦健診や入院、分娩は2015年に竣工した芝浦の新病棟で行われているが、

産後の健診や乳児健診、予防接種の他、遺伝相談外来は

この由緒正しい愛育クリニックの方で行われている。

 

広尾駅から坂道を徒歩10分。

駐車場は外車だらけのセレブムード漂う中、

紀子さまも出産されたという歴史ある施設に足を運ぶ。

 

出生前検査両親学級は、毎週土曜に開催されている。

所要1時間ほど。

私たちが出席した回は10組以上の夫婦が参加していた。

NIPTの受診資格は親族に染色体異常者がいない限り

分娩時妊婦が35歳以上というのもあり、

やはり年齢層は高そうだった。

講座の終わりにアンケートを提出し、個別カウンセリングと検査の予約を入れる。

 

NIPTを受けられるのは、妊娠10週から15週の間。

結果が出るまで約3週間。

日本の法律で妊娠22週以降の人工中絶は禁じられているので

仮にNIPTの検査結果が陽性だった場合、

そこから羊水検査を受けて結果が出てとなると

決断までの時間は非常に限られている。

だから、NIPTを受けるなら、とにかく早いに越したことはない。

 

個別カウンセリングでは、

遺伝子相談外来の医師が両親学級とほぼ同じ内容の説明を繰り返す。

検査を受けることと陽性だった時の対処についての

意思確認みたいな感じなのだけれど、非常に淡々としていた。

説教されるということはないが(ここで説教されても困る)、

かといって励ましたり気持ちに寄り添ってくれるというわけでもなく、

いろんな考えがあって、決めるのはあなた方です、という

なんというか、突き放した感じのコミュニケーション。

 

まあ、それが妥当な気がする。

 

カウンセリングの後、血液検査の前に

腹部エコーで胎児の状態を確認してくれたのだけれど、

胎児は確かに人間っぽいかたちをしていて、しかもかわいらしく、

絶えず動き続けていて、ここに確かに命がいて、

毎日成長しているのだと見せつけられる。

せっかく妊娠できて心拍も確認できたのに、

自分の意思でこの命を終わらせる選択を、私は本当にするんだろうか。

もしもここで中絶をしたら、また妊娠したいって思うだろうか。

自分の都合で終わらせておいて、それでも健康な子どもが産めるまで、

私はリスクの高い妊娠や出産に挑み続けるのだろうか。

 

いや、だけど、やっぱり、まずは検査だ。

 

採血をして、3週間後の結果報告を待つことになった。

帰りに広尾駅の近くで夫と食事をしながら、

いろんなことに思考を巡らせてしまって

言葉を選びながら会話した記憶がある。

 

lifewithaboy.hatenablog.com

 

lifewithaboy.hatenablog.com