ノンアルコール飲料
妊娠以前の私は、まあまあお酒を飲む方だった。
外食をする際は必ず、自宅では週2-3回、夕食時にはお酒を飲んだ。
30歳も過ぎれば、大量に飲むということはないが、
そこそこアルコールには強い方で、
夫と2人でワインボトルを空けることはなんなかったし、
ビールやハイボールで乾杯して、焼酎をロックで数杯飲んで、
というのは日常的なことだった。
妊娠が判明した夜も、夫と2人で家の近くで飲んだ後だった。
しかし、妊娠が分かったその瞬間から、ぱたっとお酒をやめることになった。
それが特に苦痛というわけでもなかった。
お酒は好きだが、ないといけないというものでもない。
なんだけれども、お酒のない日々が続くと、
なんとなく口寂しい感じがしてきた。
暑い夏の日、炭酸の入ったすっきりとしたお酒で喉を潤わせたい、
というような衝動が、度々起こった。
いや、お酒である必要はない。
私に必要なのはアルコールではない。
単に、食事と一緒に、喉ごしがすっきりとした炭酸飲料を飲みたい。
それ以前まで、
私はノンアルコール飲料というものの意味が分からないと思っていた。
ビールらしきものを追求したノンアルコールビールというのは
まだ分かる。
あれは、お酒が飲めない人が周囲から浮かないための
コミュニケーションツール。
決しておいしくないし、ビールそのものとは大きくかけ離れた飲み物だが、
見た目がビールっぽいので、周囲からはビールを飲んでいるのだと思ってもらえる。
実は私も、妊娠を周囲に隠している時期は、
ビールのふりしてこっそりノンアルコールビールを飲んだ。
(後で知ったところでは周囲にはばれていたようだ)
しかし、ノンアルコールビールじゃなくて、
ノンアルコールカクテルとか、ノンアルコールチューハイとか、
ノンアルコール梅酒とか、それはもはやジュースだろうと。
だったら、正々堂々とお茶とかジュースでいいんじゃないかと。
なぜそんなものを必要とするのだろうと理解できなかった。
しかしやはり、
私も妊娠してから、ノンアルコール飲料を飲むようになった。
ノンアルコールカクテルとか、ノンアルコールチューハイとか、
ノンアルコール梅酒とか。
実際にはジュースでしかないが、絶妙にジュースとは違う感覚。
ジュースよりは甘さ控えめで
すっきりとした喉ごしを味わえる飲み物として。
市場があるということは、やっぱりニーズがあるものなんだな、としみじみ思う。
しかし、当然ながらお酒に比べれば商品ラインナップが限られているので
選ぶ楽しみは少ない。
ハイボールみたいな味のノンアルコール飲料があればいいのにと思うのだが、
そこまで甘味ゼロのものに出会ったことがないのは、
そこのニーズはあまりないということなんだろうか。