Wonderful Life with a Boy

41歳で初産。がっつりめに働きながら男の子を育てる毎日の気づき。

無痛分娩について①

愛育病院では、無痛分娩のことを麻酔分娩と呼ぶ。

病院によっては和痛分娩という言葉を使うところもある。

いずれにしても、麻酔を使ってお産の痛みを除去する、

あるいは和らげる分娩方法だ。

 

近頃、この無痛分娩による事故が相次いで報道されており

注目を集めると同時に、議論の的にもなっている。

 

私が無痛分娩で子どもを出産したのは2016年8月だが、

もしもこれが1年後だったら、もっと周りから

大丈夫なの?と言われていただろうし、

うちの親なんかは反対していたかもしれない。

 

私は出産するなら無痛分娩。とずっと前から、

妊娠するより前、もっと言うなら、

結婚する前、妊娠の予定すら一切ないころからそう決めていた。

 

理由は、私の友人には無痛分娩で出産した人が複数いること。

そして、その全員が、無痛分娩を絶賛していること。

 

欧米では無痛分娩が一般的で特別なことではないというし、

個人的に、無駄に痛い思いをする必要なんて全くないと考えている。

 

痛い思いをしないと母親になれない?子どもに愛情をもてない?

それ、誰の意見ですか?どこに根拠があるんですか?

 

どんな産み方をしようが、母親にはなれるし、子どもはかわいい。

帝王切開だって分娩の痛み自体は感じないわけで、

じゃあ、帝王切開じゃ母親になれないんですか?そんなわけない。

 

普通分娩と無痛分娩の両方を経験した友人が言うには、

産後の体力回復の面からも無痛か否かでは大きく違うらしい。

高齢出産で体を大きく壊すなんてことになったら、

その後の育児や生活が大変なわけで、私は絶対に絶対に無痛だと決めていた。

 

しかし、無痛分娩にリスクが伴うことも承知している。

麻酔科医がいる、設備が整った、症例の多い病院でしかしない。

それも決めていた。

 

そこらへんの町のクリニックで無痛分娩をやろうなんていうのは、

大きすぎるリスクを背負うことになると思う。

実際、問題が起きたのは、医師が一人しかいないとか、

専門の麻酔科医がいないとか、過去にも事故を起こしているとか、

調べればすぐに分かる、最初から高リスクな病院ばかり。

 

無痛分娩をやりたいなら、

何かあったときの体制が備っている病院でやるべきだ。

お産の痛みがなくなるなんてことと、人の命とは比べようもないことで

万全の体制がある病院でないのなら、安易に無痛分娩をやるべきでないし、

無痛分娩を望むなら、相応の費用も払う覚悟で確かな病院を選ぶことをおすすめする。

 

それで私が選んだのは、

国内で麻酔分娩の症例数トップクラスの愛育病院だった。

さらに、万が一のときに対応できる母子両方のICUがある

母子周産期医療センターでもある。

(そして家から比較的近い)

 

lifewithaboy.hatenablog.com

 

というわけで、

無痛分娩で出産した友人たちに「病院どこにしたの?」と聞かれ

自信をもって「愛育にしたよ」と言ったのだが、

友人たちは「え?愛育って無痛やってるの?」という反応。

 

「え、やってるよ?麻酔分娩っていうみたいだけど」

「それ完全無痛じゃないでしょ?」

「え?え?完全無痛ってなに?

 もしかして和痛とか麻酔ってほんとの無痛じゃないの???」

 

友人たちの解説では、

完全無痛というのは、

陣痛が起きる前から麻酔を入れて陣痛も分娩の痛みも一切ない分娩なのだそうだ。

後でわかったことだが、これは計画無痛ともいって、

愛育病院では経産婦の場合は認められていて、初産では認められていない。

この完全無痛ができる東京都心の産院は、

自由が丘の田中ウィメンズクリニックしかないはずだ、と。

(友人もそこで産んだらしい)

 

www.tanaka-wc.com

 

お産の痛みの99%は陣痛であって、分娩なんてたかが知れている。

陣痛がとてつもなく痛いので、もう分娩自体なんてどうでもいいんだと。

だから、陣痛が取り除かれない無痛分娩なんて意味ないんだよ、と。

 

なんと、なんと、そうだったのか・・・!

新たな事実に、にわかに恐怖が生まれてきた。

 

じゃあ、その田中ウィメンズクリニックとやらに・・・と一瞬思ったが、

自由が丘はちょっと遠い。

うちから、ドア2ドアで1時間くらいかかりそうだ。

 

しかも小さなクリニック。

いかに症例数が多いとはいえ、私のような高齢出産ではリスクが高いのではないか。*1

 

ということで、考え直し、これはもう初産で完全無痛という道自体が

ここ東京では選択不可能だということだと受け入れることにした。

 

そして、完全じゃない無痛分娩、という

ほんとにどれくらい痛いのか痛くないのか、不安いっぱいの状態で

愛育病院で希望者は受講必須の「麻酔分娩学級」を受講することになる。

(つづく)

*1:後で調べたところでは、実際、40歳以上の初産は高リスク妊婦ということで受け入れしてくれないようだ。