妊娠中期の長距離移動
妊娠27週、夫の祖母の卒寿の祝いということで
長野県の塩尻市に行くことになった。
せっかくなので、と義父母がその前泊で松本の美ヶ原温泉の旅館を予約してくれて、
義父母と私たち夫婦の4人で1泊旅行をすることになる。
妊娠自体は安定していたので1泊旅行も特に問題はなさそうだったが、
当時、長時間同じ姿勢で座っているということが
既にかなりつらくなっていて、正直、車で3時間以上の移動が厳しかった。
左脚の付け根のあたりがうっ血するというか、鈍く痛み、
走行中、ちょっとずつ姿勢を変え続ける必要があった。
これはこの日に限った話ではなくて、
仕事中でも自宅のソファに座っているときでも同じ。
脚を伸ばしても曲げても、ただ座っているのがつらい。
(座っているよりはましだが)長く立っているのもつらい。
とにかく、もう、楽な姿勢は仰向けで寝っ転がることだけだったが、
それもじきに、お腹の重みで仰向けではいられなくなる。
まして、うつぶせにはなれない。
あれは、今思い出しても、妊娠中でもっともきつい体調不良だった。
これがつらくてつらくて、早く生んでしまいたいと思ったくらいだ。
そしてそんな体調不良を抱えながら、
自動車に座り続けて3時間。
お部屋は風情があり、温泉もよかったし(滑って転ばないよう細心の注意を払ったが)
食事もとてもおいしかった。
(ただし旅館は歴史があって古く、部屋は階段しかない2階にあり、
かつ1階のロビーに近いトイレが和式だったので
洋式トイレに行くには2階の部屋まで毎回戻る必要があるのが難点だった)
風通りがよく、風情のある和室。
南信州の山菜の天ぷら。
ただもう、さすがに自動車はつらい。
立ち上がることもできないから。
そういうわけで、帰りは私たち夫婦は車には乗らず、
鉄道を使うことにした。
時間は鉄道の方が多少長かったかもしれないが、
立ち上がることができない車移動よりはずっとよかったと思う。