Wonderful Life with a Boy

41歳で初産。がっつりめに働きながら男の子を育てる毎日の気づき。

うなぎと陣痛

妊娠中、うなぎは食べないようにしていた。

子宮収縮作用があるビタミンAが含まれているので、

流産や早産を招くと言われている。

 

季節は真夏。

度々うなぎを食べたくなる衝動と戦いつつ、

ずっと我慢していたのだが、

正産期に入ったので、ついに解禁することにした。

 

ちょうど私たちの結婚記念日でもあった

出産予定日12日前、夫は代休を取っていて、

二人で昼食にうなぎを食べに行ったのだ。

その日は午後に妊婦健診があり、

一緒に行く予定でもあった。

 

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最近は値段が高騰しているので頻繁に口にする機会はないが、

うなぎを食べるなら、それなりのお金を払って専門店で食べたい。

 

久しぶりに食べるうなぎは、本当においしかった。

夫と、おいしいね、おいしいねと言ってうな重を平らげ、

うなぎ食べたら陣痛来るっていうけど、ほんとかなと笑いながら。

 

しかし、その後の妊婦健診では、子宮口のチェックがあり、

「まだ下りてきてないですね。初産はだいたい予定日すぎますから」と。

その日は初めて、NST(ノンストレステスト)という、

お腹にぺたぺたとパッドを貼り付けて、

機械で胎動の間隔をチェックするという検査も受けて、

いつも通り、うちの息子はお腹の中で大暴れだったが、

それでもまだ生まれてくる様子はないようだった。

お産が近づくと胎児が下に下がってきて、胎動も感じにくくなるというし。

 

なのだが、病院の会計を待っているときから、なんだか様子がおかしかった。

なんとなく熱っぽく、なんとなくだるい。

 

だけどこれがお産の予兆だとはまさか思わない。

さっき、「まだですね」と言われたばかり。

 

しかし、家に帰ってから、けだるさはより強まってきた。

なんとなくお腹が痛い気さえする。

そして、わずかに出血。

妊娠が分かってから、出血したのは初めてのことだった。

 

もしや、これは、おしるし

 

どこかで読んだ気がする。

お産の始まりに、わずかに出血をすることがあると。

 

なんだけど、まだだって言われたし。

重苦しく、痛みもあって、軽く食事をした後、私は一度眠ることにした。

リビングのベッドに横たわって数時間。

 

深夜0時に近づいたころ、これは、もしかすると、陣痛かもしれない。

と、ようやくそんな気がしてきた。

 

痛みはどんどん強くなり、また噂に聞く、痛みの波がある。

痛い時間の後、痛みが収まってしばらく間隔があき、そしてまた痛くなる。

病院からの指導としては、

痛みの波が10分に1回、1分くらい続く、みたいな状態になったら

必ず事前に電話してください。

それより前だと、来ても帰ってもらうから、と。

 

これは陣痛なのか、陣痛なのかと思いながら、

スマホの時計機能で痛みのラップタイムを計測。

 

最初に病院に電話したとき、ほぼそれは10分に1回、1分続くみたいな感じだった。

だけど、病院の窓口は、1時間その状態が続いたら来てください、と言う。

素直にもう1時間、私は耐え続けた。

 

深夜2時が近づいた頃、2度目の電話で病院からOKが出た。

すぐに陣痛タクシーを呼んで、病院に向かう。

 

そのときの痛みは重い生理よりさらに痛い。

おいおい、これでまだ序盤なのか。

生まれるまでこれから何時間かかるのか分からないけれど、

これがもっともっと強くなるなんて、絶対耐えられる気がしない。

 

麻酔分娩でよかった。

いや、麻酔分娩ってほんとに痛くないのか。

というか、麻酔はいつ入れてもらえるんだろうか。

 

そんなことをぐるぐるぐるぐる、考えたり考えなかったりしながら、

病院到着直前に、タクシーの中で破水。

 

あ、今、破水した。

生温かい羊水が流れ出てくる。

 

車から降りて、夜間入口から院内に入りLDRに移動する間も、

どんどんどんどん流れてきて、

もう後戻りできない感じ、いよいよなのだという緊迫した感じ、

非日常感に包まれる感覚がした。