Wonderful Life with a Boy

41歳で初産。がっつりめに働きながら男の子を育てる毎日の気づき。

出産

LDRとは、

陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、回復(Recovery)の

すべての期間を過ごせる部屋。

このLDRがない病院では、

いざ分娩というまで別室で待って陣痛に耐え続け、

生まれた後も、すぐ別室に移動しないといけないらしい。

 

愛育病院は、基本的にすべてのお産がLDRで行われるが、

混みあっていたりすると別室で待つこともあるらしい。

看護師さんが言うには、

私が分娩をした前の夜は台風の影響で天気が荒れていて

お産がすごく多く、久々にLDR入室待ちが発生したという。

実際のところ、台風とか満月とかはお産に影響するらしい。

 

夫と一緒にタクシーで到着した私がLDRに入ると、

下着を脱いで丈の長いパジャマを上だけ着て、

トイレに行きたければ行って、ベッドに横たわってくださいと促された。

看護師か助産師が、手際よく私のお腹や胸に吸盤をつけていく。

それで心拍や子宮の状態を測るらしい。

 

その後、医師が来て子宮口をチェック。

私としては陣痛はかなり強くなっていると感じたが、

子宮口はまだ4センチくらいしか開いていなくて、まだ時間が掛かると言われる。

 

麻酔は入れたければ入れるが、陣痛が弱まるかもしれませんと言われ、

でももう、私としては耐えきれる気がしなかったので、

入れてください!と懇願。

 

同意書か何かにサインをして、

すぐに麻酔を入れてもらうことにした。

すると、麻酔科医が来て背中に針を刺し、

わずか数分もすれば、痛みは少しずつ弱まってきた。

15分経つ頃には、ほとんど感じなくなったといってもいい。

 

麻酔分娩、確かに、全然痛くない!

 

その後、うつらうつらと浅い眠りを取る。

夫も隣のソファで寝始める。

 

何時間寝たか、目が醒めたのは朝8時ごろだった。

陣痛が弱まってしまったので、陣痛促進剤を入れることになる。

麻酔と陣痛促進剤を両方同時に入れるなんて、

どういうことになっちゃうんだろうと思ったが、

ここは両方のバランスを絶妙にはかるようで、

陣痛が戻ってきて、ちょっとずつ痛みを感じ始める。

 

痛かったらこのボタンを押してください。

麻酔が入りますから。と言われ、

いよいよ痛いなとなってそれを押すと、

またすーっと痛みが引く。

 

そういうのをまた数時間続けたのだと思うが、

もう時間の感覚はよく分からなくて、

やがて、いわゆる「いきみたい」という感覚をおぼえ始めた。

子宮口のあたりに、胎児が下りてきている感じがする。

 

看護師さん(助産師さん?)が来て、

モニターしてるとお腹の赤ちゃんが苦しそうなんだけれど大丈夫ですかと聞かれ、

もういきみたいんですけどと言うと、

子宮口の状態を見てくれて、あら、ほんとだ、と。

 

もう頭が見えてきてる。分娩に移りましょう。

ということになり、

そこから、LDR室は、LからDへフォーメーションを変える。

 

そして医師や助産師が何人も入ってきて、

ついに、ついに、これからなのだという緊張感。

 

そう思ったら、なんだかもう、すごく気持ちがあふれてきて、

やっと赤ちゃんに会える!これから、私たちの赤ちゃんに会える!と

夫の手を握りしめ、涙がぽろぽろ流れてきた。

 

ドキドキはしていたけれど、痛みはなく、リラックスできていた。

助産師さんに指示される通りに、

子宮の収縮のタイミングに合わせて、大きく長く息を吐く。

それを何度繰り返しただろう、

そして、どれくらいの時間が経ったのだろう、

最後に、もういいですよ、力を抜いてと言われた数秒後、

大きな産声と一緒に、

股の間から、抱き上げられたびしょぬれの小さな赤ん坊の姿が目に入った。

 

私たちの息子が、この世に誕生した瞬間。

ずっとお腹の中で、お互いに待ちかねて、そしてついに私たちは

直に顔を合わせ、肌を合わせることができた。

 

2972グラムの男の子。

とても元気で、とてもかわいい、とてもすばらしい男の子だった。