Wonderful Life with a Boy

41歳で初産。がっつりめに働きながら男の子を育てる毎日の気づき。

「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」

妊娠を報告した私に友人の1人がくれた本は、妊娠中の毎日の大きな拠り所になった。

彼女は2児の母親で、上の子はもう10歳になる。

 

「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」は、

妊娠した日から出産予定日までの体の変化、赤ちゃんの様子、

これから起きること、気をつけるべきことなどを

毎日少しずつ教えてくれる本。

 

 

胎児は今これくらいの大きさですとか、

そろそろ鼻の孔が完成しますとか。

妊婦は足がむくんでくるころです、

眠りが浅くなるでしょうとか。

 

友人は10年前にこの本を買って2回の妊娠中に読んだわけだけれど、

10年経っても妊婦と胎児に起きる出来事は何も変わらない。

もちろん100年経っても変わらないし、1000年経っても1万年経っても、

たぶん変わらない。

 

すべからく人間は、同じように命として誕生し、同じように成長する。

もっと言えば、同じように老いて、同じように死んでいく。

その順番は決まっている。

すべての臓器の中で心臓が最初にできて、そして消化器官、といったふうに。

 

あたりまえのことなのだけれど、不思議だ。

 

このあたりまえのことに対する予言の書を

毎日ちょっとだけ読んで、勉強する。

2週間くらい先までは目を通すのだけれど、

それより先のことはまだ考えられない。

 

あと数日経てば早産になっても外の世界でなんとか生きていける可能性があるとか、

あと1週間経てば自力呼吸できるようになるとか、

この本をかたわらに毎日祈るように過ごし、

一つ一つハードルを越えていくような気持ち。

 

少しずつ近づいてくる出産の日を考えて、ドキドキする。

嬉しいような不安なような。

 

以前どこかでもらった、文字通りの日めくりカレンダーも部屋に置いて、

毎朝それをめくっていく。

 

数か月を過ぎるころには、妊娠していることがもはや自然になっていて、

大きくなっていくおなかとともに、子どもと対面する日がどんどん現実になっていく。

 

出産後は、この本をまた別の友人に譲った。

私のちょうど半年後に妊娠した同い年の友人。

 

そうやって、受け継がれるのは、幸せのバトンのようでちょっといいじゃないか。