出生前診断を申し込む
出生前診断については、妊娠が分かったときから、絶対に受けようと思っていた。
クリニックに行くよりも前に、まず夫に説明したくらいだ。
出生前診断は、胎児に先天性の病気、奇形、染色体異常がないかどうかを調べる検査の総称です。一般的な妊婦健診でも超音波検査や心拍の確認、羊水量などがチェックされますが、なんらかの異常が疑われる場合や、両方の家系で遺伝的な病気がある場合などに、夫婦または本人の希望があった場合に出生前診断として詳しい検査が行われます。
検査が行われる時期は検査の種類によって異なり、主に以下の5つの種類があげられます。2013年に日本で認可されたばかりの「NIPT(Non-invasive prenatal genetic testing)」は、出生前診断と区別されることもあります。
出生前診断の主な種類
● NT超音波検査(胎児超音波スクリーニング検査)
● 母体血清マーカーテスト
● 新型出生前診断(NIPT)
● 羊水検査
● 絨毛検査
賛否のある話なのは重々承知だし、人によって様々な価値観があるけれど、
現代の技術で、子どもが生まれる前に染色体異常の可能性を知ることができるのなら、
私には、その技術を使わない選択肢はない。
胎児に染色体異常があるかどうかを出産するまで知らずに
不安な気持ちを抱き続けて妊娠生活を楽しめないことも、
覚悟もなくダウン症や染色体異常の子どもの親になることも、
私は絶対に嫌だったから。
検査の結果で陽性となったとき、自分がどういう選択をするか、
最終的な結論は分からないけれど、
ただ、根拠のない楽観論を持つことはできなかった。
愛育病院で出生前診断を希望する父母が必ず事前に受けなければいけない講座では
出産年齢41歳の妊婦が染色体異常の子どもを産む確率は1%以上と聞いた。
100人に1人以上。
これは間違いなく高い。
そんなわけで申し込んだ出生前診断。
特に、NIPTという母体の血液検査だけで胎児の染色体異常が分かるという新型の検査を
受けられる病院は都内でもわずかしかない。
このNIPTが認可される前は、出生前診断といえば羊水検査を受けるしかなく、
この羊水検査は文字通り子宮に針を刺して羊水を抜き出し、その成分を調べるもので
わずかながら流産のリスクがある。
NIPTの結果が陽性だった場合は、羊水検査を受けて診断の確定を受けなければいけないが、
NIPTが陰性だった場合は、それでほぼ100%陰性であることが確定するので、
羊水検査を受ける必要はない。
NIPTは胎児を危険にさらすことなく、母体の血液検査のみで済む
安全で確実な方法なのだ。
分娩時に35歳以上であることが条件で、
費用はどの病院でも15万円以上はする(愛育病院では205,000円)。
高い。高いけど、安い。
わずか数年前までは、受けられなかった検査だ。